これまでに発売された書籍、電子書籍のご紹介です。画像クリックすると販売サイトにジャンプします。
実は、拙者は。(2024年5月) 双葉文庫
深川佐賀町の裏店に住まう棒手振りの八五郎は、平凡かつ地味な男。人並み外れた影の薄さが悩みの種だが、独り身ゆえの気楽な貧乏暮らしを謳歌している。
そんな八五郎は、ある夜、巷で噂の幽霊剣士「鳴かせの一柳斎」が旗本を襲う場に出くわす。物陰から固唾を呑んで闘いを見守る八五郎だが、一柳斎の正体が、隣の部屋に住まう浪人の雲井源次郎だと気づき──。
影と秘密は江戸の華!? 私にとっては初挑戦となるフィクション時代小説です。
関ケ原よりも熱く 天下分け目の小牧・長久手(2023年10月) 文芸社文庫
本能寺の変で失ったのは、偉大すぎた主君、織田信長。喪失感に襲われる中、豊臣秀吉と徳川家康の運命はこの時から大きく動き始める。信長の遺した「天下統一」という概念に気がついた時、戦巧者の武将二人はどんな戦いを繰り広げるのか。腹心の部下──秀吉には黒田官兵衛、家康には石川数正──に支えられ、知略を尽くし、命を賭けて睨み合う。天下人となるのは、秀吉か家康か。関ヶ原の戦いよりもずっと熱い小牧・長久手の戦いこそが、真の天下分け目の大一番!
桶狭間で死ぬ義元(2023年4月) 文芸社文庫
強い今川家を目指し、検地や寄親・寄子制を導入するなど制度改革を行い、古臭い家風を変えようと当主として肝胆を砕く今川義元。東に北条、北に武田、西に織田という手強い相手に囲まれつつも、冷静沈着で独自の情報収集網を持つ地獄耳の師僧・太原雪斎の意見に耳を傾けながら、義元はいつしか「海道一の弓取り」と称されるまでになる。しかし、雪斎亡きあと正確な情報を得られず判断が鈍り始めると、いつしか織田への疑念が生まれていた。甲相駿三国同盟を成立させ、今川家最大の繁栄をもたらした名将は、篠突く雨の桶狭間で最後に何を想うのか。
義経じゃないほうの源平合戦(2022年12月) 文芸社文庫
やっぱり鎌倉なんか、来るんじゃなかった。蒲御厨でひっそりと暮らしていた範頼は、命の危機を感じて頼朝のもとへ馳せ参じた。だが、会って早々、兄の怒りに触れ言葉も出ない。ちくしょう、怖すぎるだろ、この兄さま。そんな時、助け舟を出してくれたのが弟の義経だった。打倒平家に燃え勇猛果敢に切り込んでいく弟を横目に、兄への報告を怠らず、兵糧を気にする自分の、なんと情けないことか。誰もが恐れる知略家の頼朝と戦に関しては天賦の才を持つ義経。二人の天才に挟まれた、地味だが堅実で非情になれない男、源範頼の生きる道。
画狂老人卍 葛飾北斎の数奇なる日乗(2022年4月) 文芸社文庫
奇人変人、でも天才。その名を世間に轟かす、江戸の大絵師葛飾北斎の絵への探求心は、尋常ならざるものがある。そして、偏屈で一般常識なんぞ持ち合わせてはいないため、常識人である弟子の常次郎をいつも困らせていた。足の踏み場もないほどに散らかっている部屋でも片付けるなと叱り、生きている猫をもってこい、鼠を捕まえろなど、無理難題の毎日だ。しかし「絵が好き」という共通点があるからこそ、師匠はぶっきらぼうでも弟子の成長を見守り、弟子も怒りながらも尊敬の眼差しを送る。そんな愛あるおかしな日常を生き生きと描く物語。
討ち入りたくない内蔵助(2021年12月) 文芸社文庫
筆頭家老の家に生まれ、一生裕福で平和に暮らせるはずだった大石内蔵助の人生は、主君が起こした松の廊下の刃傷事件によって暗転する。不公平な幕府の裁定を前に、籠城だ仇討だといきり立つ藩士たち。内蔵助は彼らをのらりくらりとかわしながら、「藩士どもを殺してたまるか!」とお家再興に向けて奔走する。しかし、下からは突き上げられ、上からはそっぽを向かれる四面楚歌。やってられるか、こんなこと! 役割や責任なんて投げ出せたら楽になれるのに……。人間・内蔵助を等身大で描く、新たな忠臣蔵。前作「あの日、松の廊下で」の後日譚となる、今度は大石内蔵助の視点から忠臣蔵の顛末を描いた物語です。
あの日、松の廊下で(2021年4月) 文芸社文庫
旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。
5分後に美味しいラスト(2020年10月)
小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿された短編の中から厳選された、美味しすぎて心まで満たされる短編小説9作品を収録したオムニバス集。エブリスタの「三行から応募できる超・妄想コンテスト」で準大賞を受賞した私(Nirone名義)の短編「氏康とカレーと私」が最後に収録されております。
カレーを食べるたびに、なぜか戦国武将の北条氏康と脳内で激しいバトルを繰り広げてしまう「私」の、脳内北条家の存続を賭けて行われる、カレーをバランスよく食べる真剣勝負のゆくえは!?
私のイクメンブログ(2019年12月~2020年7月)
Nironeの名義で「エブリスタ」に投稿した同名小説が編集部の目に留まり、キャンディーサトウ先生によって漫画化された作品です。(全3巻 電子版のみ)
夫は育児に協力的なイクメンだけど、夫が始めた育児ブログが、なんとなくイラっとする!
そんなモヤモヤした苛立ちを抱えるワーキングマザーの美佐緒はある日、ちょっとした出来心で男のふりをして育児の様子を投稿する「イクメンブログ」を書きはじめる。
ところが、普段の育児について書いているだけなのに先進的なイクメンと勘違いされて、あっという間にカリスマブロガーに。
さらには炎上騒ぎにも巻き込まれ、性別詐称のイクメンブログは果たしてどうなってしまうのか!?
なお、エブリスタのこちらのリンク先で私の原作小説を無料で読むこともできます。物語の骨格は一緒ですが、漫画と小説ではかなりテイストが違うので、比べて楽しむのもおすすめです。